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CSRコンテンツ評価の着眼点と課題について

  • 2017.5.1
CSR調査

CSRコンテンツ評価

年度始めの4月も過ぎ、少しずつですが、2017年度に発表する予定のCSRランキングの準備を始めました。

2017年1月に発表した「【日本初】CSRウェブサイト格付け「CSRコンテンツ充実度ランキング2017」を発表」の第二弾となるランキングや、別の切り口から評価したものも作る予定です。どちらも、CSRのコンテンツを評価するもので、すでに公開されている情報で評価します。

社会が大きく変化する中、いつも同じ指標で評価とはいかず、ブラッシュアップするため評価項目の再検討から入っています。

昨年度の反省もふまえて、今回のランキング制作チームはマルチステークホルダーによる多様性のあるメンバーで構成されており、面白い評価項目ができるのではとワクワクしています。

10名くらいのランキング制作チームなのですが、先日の会議にていろいろな意見がでたので、その一部を紹介したいと思います。自己評価のヒントにしてみてください。

評価の課題

■読者は誰か
多くのCSR関連評価は、企業組織や各事業の評価であり、ステークホルダー別のCSR評価はほとんど存在しません。調査機関が様々なステークホルダーになりきることは不可能なので当然ではあります。

逆にステークホルダー評価として、NGOが企業を特定の視点(ダイバーシティ、人権、環境など)で評価する調査・ランキングもありますが、企業の一側面の評価であり、それだけで企業が社会にとって善か悪かという議論は成立しません。難しい問題です。

本来、CSRを評価するのは誰かというとステークホルダーです。評価機関に評価されなくても、ステークホルダーの評価が高ければ事業は行えますが、逆はありえません。そうなると、ステークホルダー視点をCSRコンテンツ評価にどうにか組み込めないものか、と当然考えます。

■評価されにくいコンテンツをどう評価するか
CSR活動でも“評価されにくいコンテンツ”が存在します。たとえばリスクマネジメントです。コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスを推進し不祥事をゼロ件にしても、それは当然でしょ、ということで基本的には評価されません。

インフラ企業のビジネスもそうです。インフラは使えて当たり前、とステークホルダーに思われてしまうと、インフラを維持するために多大なる努力をする日々の業務があまり評価されないものです。

これらのような「マイナス要素をゼロに近づけるCSR活動」と、CSVやソーシャルビジネスのような「ゼロをプラスにするCSR活動」では、同じ軸で評価を行って良いのか難しい場面もでてきます。

■データの信ぴょう性の担保
CSR関連報告書では「第三者意見」や「第三者保証」などで、情報の質や信ぴょう性を担保しようという動きがあります。ある調査では「第三者保証」の件数は増えている、なんて話もあります。

しかし、たとえば、Pマークを取っている企業での情報漏洩もあるし、国際的な評価機関のガバナンス最上級評価をもらっている企業がコンプラ違反をしていたとか、結局、社外に出る情報の信ぴょう性なんて、本当の意味でないのかもとも感じてしまいます。CSRの側面だけで企業のすべてを知ることは不可能なのです。

この「信ぴょう性の担保」を、第三者保証以外のコンテンツで評価することができないのか。これをコンテンツ評価できたら、いいと思うのですが…。

エンゲージメントを評価できるのか

企業のCSR関連報告書は所詮絵に描いた餅である。そんなありがたくない評価をもらうのは寂しすぎます。

前述の評価項目を実際の調査項目として使うかどうかは、制作チーム内での議論が必要で確定ではありませんが、コンテンツを評価する上で重要なポイントとなりそうな気がしています。

つきつめると、ステークホルダーの視点および、ステークホルダーとの日々のエンゲージメント、などが重要なのかもしれません。

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執筆者:安藤 光展

一般社団法人 CSRコミュニケーション協会・代表理事。CSRコンサルタント。1981年長野県生まれ。著書『CSRデジタルコミュニケーション入門』(インプレスR&D、共著)、『この数字で世界経済のことが10倍わかる』(技術評論社、単著)ほか。2009年よりブログ『CSRのその先へ』運営。2008年に独立し、以降はCSR/社会貢献領域のコンサルティング事業を中心に活動中。

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