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【第5回】「アクセス数」の次に考えるKPIとは?

  • 2017.1.26

CSRコミュニケーション協会のアドバイザーを務めます猪又です。このブログでは、「CSRデジタルコミュニケーション入門」で分量的に追加できなかった内容を含めて、日々感じたCSRコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

今年初めての投稿は、最近多くのCSR担当者から問い合わせを受けている「アクセス数の次に考えるべきKPIって何?」ということについて個人的な意見を述べさせて頂きます。KPIの指標には量と質があることはお伝えしましたが、前回は量の指標だったので、今回は、質の指標に考えてみたいと思います。ご参考にしてください。

その前に、上場企業のCSRコンテンツを調査して感じたこと

安藤さんのブログにも書かれていましたが、年末年始に時価総額が高い200社の上場企業のCSRコンテンツを一つ一つ丁寧に拝見させていただきました(笑)意外だったのは、CSRでそれほど名前が知られていない企業でも秀逸なサイトが多くあったり、その反面、CSRとしては名前が世間にも知られている企業にも関わらず、「え?」みたいなサイトが多かったという印象を持っています。

やはり、CSRコンテンツに携わっているCSR担当者の世代の影響もあったのでしょうか。統合報告書やCSR報告書などの2次元コンテンツでは中高年のコミュニケーション表現力は手堅いのですが、WEBや動画などの3次元コンテンツでは少々弱いのかもしれませんね。もしかしたら、その分野は若手に任せてみるのも手なのではないかな?なんて思ってしまいます。

量から質のKPIへ

滞留時間で考える

それでは、質のKPIについて考えていきましょう。昨年の私のブログからグーグルアナリティックスの必要性は再三お伝えしていますのでもう大丈夫ですよね?もしまだ導入していないという担当者は、すぐに情報システム部に依頼してみてください。

さて、そのアナリティックスを調べると、「平均セッション時間」という項目があります。

「平均セッション時間」→指定した期間における各セッション時間の合計を、総セッション数で割った値

※セッションなどのキーワードについて知りたい場合はこちらへ→「SEOラボ」参照

もちろん、アクセス数を伸ばすことは自社のCSRブランドの認知を高めるためには必要ですが、それだけでは閲覧者が理解してくれたとはいえません。やはり、理解度を確認するためには、1人がどれぐらいそのページに滞在し熟読してくれたのかも大切な要素になります。最近ではこの本の影響もあったのか(笑)、担当者の中にはアクセス数だけにしか興味がなく、目的を間違えている企業も増えているみたいですが・・・下図をご覧ください。

KPI設定

図が示すように、いくらアクセス数が多くても滞在時間が短かければ、閲覧者への理解度が少ないと言えるでしょう。それと比較して、アクセス数は多少悪くても滞在時間が長い方が閲覧者への理解度が高いと思われます。次のことが言えるのではないでしょうか?

閲覧者への理解度(面積) = アクセス数 × 滞在時間

アクセス数を上げて認知度を高めることはもちろん大切ですが、滞在時間などの質の部分を上げていくことで閲覧者への理解度を高めることが次の目標と言えるでしょう。

閲覧者を引き込むインターフェースが必要

冒頭での上場企業のCSRコンテンツ調査でも触れましたが、営業マンの第一印象のように、その企業がCSRコンテンツに力を入れているのかそうでないかはCSRコンテンツを開いた瞬間に伝わってきます。「あ~、この会社は経営者もCSRに興味がないんだなぁー」「CSRはコストセンターとしか見ていないんだな~」私たち専門家でなくても、明らか一般消費者や学生にも伝わってしまいます。(いや、本当です・・・)そのための指標として、グーグルアナリティックスを調べると、「直帰率」というのがあります。

「直帰率」→そのページで始まった全てのセッションのうち、そのページだけが唯一のセッションだった割合

※セッションなどのキーワードについて知りたい場合はこちらへ→「SEOラボ」参照

簡単にいえば、最初に見たページをみて、すぐに他社のサイトに行ってしまった割合です。通常であれば、企業のCSRページは、検索などで自分で探してから来るケースが多いので、直帰率は低いはずです。CSRページの直帰率が高い場合には、ユーザーが求めるコンテンツが不足してる可能性があり、サイトの改善が必要です。例えば、どちらのCSRページが読みたいですか?

どちらが読みたい?

 

特に、最新コンテンツの更新が全くなく、1回だけページを作っただけで、何も手を入れていないCSRコンテンツは悲惨と言えるでしょう。もしかしたら、担当者としては1回製作すれば終わりだと思っているかもしれませんが、これは、閲覧者にすぐにばれてしまいます。10年ぐらい変わっていないページは、その企業がCSRについても全く進化していないと受け止められてもおかしくないはずです。

まとめ

このブログを読んだ方は、改めてご自身が気になる企業のCSRコンテンツを閲覧してください。また、CSR担当者の方は是非、来年度予算にWEB改訂の予算を入れておくべきでしょう。最近では、インターネットの閲覧方法もパソコンではなくて、スマートフォンで見ている割合が増えてきています。CSR報告書などに予算を多くつけるよりも、これからはデジタルコンテンツ(動画やスマートフォンなど)に力を入れた方が投資効果が高いのかもしれません。そのための参考資料ということで、私もお手伝いさせて頂きましたCSRコミュニケーション協会が月末に発表するランキングが参考になるかもしれません。是非、どの企業がランキング上位なのかをチェックしてサイトをみてくださいね!それでは、また来月にお会いしましょう。

※本投稿は個人の見解であり所属する組織・団体を代表するものではありません。

 

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執筆者:猪又 陽一

東京商工会議所「eco検定アワード」審査委員、2016年第三者意見執筆企業(南海電鉄、アマダホールディングス、リケンテクノス)。早稲田大学理工学部卒業後、ベネッセコーポレーション入社。その後、外資系ネットベンチャーやリクルートエージェント等で新規事業立ち上げ後、大手環境戦略コンサルティング企業に合流。環境・CSR分野における戦略・実行、コミュニケーション、教育など幅広く従事。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」をプロデュース。著書:『CSRデジタルコミュニケーション入門』(インプレスR&D、共著)

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