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ますます注目される統合報告書の2つポイント

  • 2016.12.6

2016年12月現在、すでに国内では300社近くが統合報告書を発行しているとされています(※1)。上場企業は約3,700社ありますし、まだまだ伸びる素地はあるものの、そもそも上場企業であってもCSR報告すらしていない企業のほうが多いので、発行企業数は今後数年で頭打ちになるのでは、なんて話もあります。

さて、そんなこんなで注目はされているものの、いまいちイメージがわかない方も多いであろう「国際統合報告フレームワーク日本語版」を今一度振り返ってみたいと思います。

※1:統合報告の現在地とは!? 宝印刷「統合報告書発行企業調査」(2016)

統合報告書|指導原則

1、戦略的焦点と将来志向
2、情報の結合性
3、ステークホルダーとの関係性
4、重要性
5、簡潔性
6、信頼性と完全性
7、首尾一貫性と比較可能性

(「国際統合報告フレームワーク日本語版」より引用)

細かい部分はレポートを参照いただければと思いますが、戦略性をもってまとめなさいよ、ということです。

何も考えずなんとなく実施してきたCSR活動をまとめ、財務情報をおまけにくっつけた報告書が統合報告書ではない、ということです。もちろん、ガイドラインなので、その枠組みは一部を除き抽象的です。だからこそ、制作会社の方としっかり意見交換をして作り込む必要があるのです。それこそが戦略性なのではないでしょうか。

統合報告書|内容要素

1、組織概要と外部環境
2、ガバナンス
3、ビジネスモデル
4、リスクと機会
5、戦略と資源配分
6、実績
7、見通し
8、作成と表示の基礎
9、一般報告ガイダンス

(「国際統合報告フレームワーク日本語版」より引用)

時折、セミナー講師などで参加者から「CSR・統合報告書の内容を教えてください」と言われます。その時の参考の一つとして、このフレームワークをお伝えしています。

さすがによくまとまった要素となっています。非財務情報領域が少ないので、CSR報告書の完全なフレームワークとはなりませんが、参考にはなるでしょう。

まとめ

ここまで大枠の解説をさせていただきお気づきの方も多いと思いますが、ここで示されている方向性は、統合報告書ではなく、通常のCSR報告書でも十分に使えるフレームワークです。ですので、上場企業ではないからこのフレームワークは関係ない、ではなくどの企業の担当者でも熟読しておくことをお勧めします。

5〜10年前とは違い、今はCSRコミュニケーションにも戦略性が求められる時代になりました。そろそろ“いきあたりばったり”ではなく、戦略的に取り組み「インパクトと企業価値の最大化」をCSRコミュニケーションで実践しようではありませんか。

国際統合報告フレームワーク日本語版(IIRC、PDFファイル)

執筆者:安藤 光展

サステナビリティ・コンサルタント
専門は、CSR、SDGs、サステナビリティ情報開示。著書は『創発型責任経営』(日本経済新聞出版、共著)ほか多数。2009年よりブログ『サステナビリティのその先へ』運営。大学卒業後、ネット系広告会社などを経て2008年に独立。「日本のサステナビリティをアップデートする」をミッションに、大手上場企業を中心にサステナビリティ推進支援を行っている。

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