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【第3回】CSRコミュニケーションのKPIに何を定めるのか?

  • 2016.11.28
motoki miyawaki

CSRコミュニケーション協会のアドバイザーを務めます猪又です。このブログでは、「CSRデジタルコミュニケーション入門」で分量的に追加できなかった内容を含めて、日々感じたCSRコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

さて、今月はKPI(Performance Indicator)について取り上げていきたいと思います。私が実施しているCSRセミナーでは、CSRコミュニケーションの話題に触れるときに必ず「自社のホームページのCSRページがどれぐらいアクセスされているのか知っていますか?」という質問を参加者にしています。ただ残念ながら、私がCSRJAPANを立ち上げた2010年当時と変わらずに参加者のほぼ全員が「知らない」という状況です。私自身も多少は参加者の意識も変化をしているかと期待していたのですが、まだまだCSRコミュニケーションの認識がされていないようです。(だから本を執筆したのですが(笑))

まずはアクセス数から調べよう!

KPIを設定するにあたって、CSRコミュニケーション分野ではどういった指標を用いればいいのでしょうか?指標には、大きく分けると二つの性質があるように思います。

  1. 量の指標→アクセス数、インプレッション、参加人数、応募者数・・・など
  2. 質の指標→理解度、納得度、満足度、クリックスルー率・・・など

WEBページでいえば、量はサイト内でのロケーションに影響があり、質はページのクリエイティブに影響があると言われています。私も以前、外資系のネットベンチャーの立ち上げをしていた時代に、大手ポータルサイトとアライアンスを組んで、ある商材を売るためにWEBマーケティングを実施していたのですが、購買への影響は、ページのクリエイティブよりも、多少クリエイティブが落ちても圧倒的なアクセス数の方が購入に繋がったことを記憶しています。単純に比較はできませんが、「量は質を凌駕する」と言われているように、CSRに関しても、まずは多くの方へ自社の活動が伝わることが大切なのではないかと思っています。

なぜアクセス数を調べないのか?

セミナーにご参加の皆様もおそらく頭ではお分かりになっていると思いますが、やはりなかなか実行には移せないものです。その理由はなぜでしょうか?

情報システム部に、アクセス解析ツールの導入説明をするのが大変!

何事も部署を超えて相手に依頼をすることは大変です。特に大企業になればなるほど、部署ごとの縦割りな組織もあり、恐らく、上司に承認を経て情報システム部にアクセス解析ツールの導入を依頼するのが大変だからでしょう。確かに、そういったWEB関係ツールは担当者も分かりづらいし、導入することを説明するのも大変なのは分かります。ただ、一回導入すれば後は特に依頼する必要もなく、自分で勝手に(?)アクセス数を調べることが可能です。最初は説明が大変だと思いますが、後は楽ですので是非実践してみてください。

アクセスが少ないから調べても意味がない!

1か月あたりCSR関連のページはどれぐらいアクセスされているのでしょうか?下記は本にも掲載されている図です。大手BtoC企業でもだいたい月間3,000人ぐらいしか見られていません。ですので、そんなに大した数ではないので調べてもあまり意味がないだろうという理屈はよく分かります。ただ、誰も見られていないCSR報告書やWEBページだからといって、会社として、人と時間、費用を使っているわけです。本当にCHECKする必要はないのでしょうか?内容面ももちろん大事ですが、やはりどれだけアクセスされているのかも非常に重要なことです。

 

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月1回でいいのでサイトのアクセス数を調べてみる

CSRは他者との差別化ポイント

今の時代、商品やサービスで圧倒的な差別化が出来ている企業はほんの一握りになってきています。むしろ、企業間同士の商品やサービスに、それほど差がなくなってきている時代ではないでしょうか?そういった時代の差別化としては企業における信頼が大切です。「この企業ならCSRもしっかりしていて信頼がおける。」というブランディングによって選別されてくる時代がくるのです。そのために企業のCSR情報をいかにステークホルダーに伝えていくのかが大切な時代になってくるのです。そういった意味で自社の状況を確認すべきことが大切なことなのです。

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これから先CSRコンテンツのアクセス数が伸びていく!

最近、マスコミでは労働に関する企業の話題が多いですが、社会全体が企業に対して様々な面で厳しい目を向け始めています。今までは暗黙の了解で許されていたことが許されない時代になってきたと言えるでしょう。また、喫緊の課題として、環境問題を取り上げないわけにはいかないでしょう。やはり、私たちが住んでいる地球自体が病んでしまえば、私たちの生活自体も成り立たなくなってしまいます。株価が上がったとか経済がどうだとか言っている場合ではありません。。。これはもやはや一企業で解決できる問題ではなく、世界的に取り組んでいかないといけない問題なのでしょう。(と偉そうに言うのは簡単ですが、実際には今日の愚直な取り組みが大切となってきます。)私たちは企業人であり一消費者でもあります。ESGという言葉も最近多く目にしますが、これから先、企業の商品やサービスだけではないCSRの取り組みに注目が浴びてくるのではないでしょうか?

まとめ

色々と述べましたが、「まずはKPIとしてアクセス数からカウントしませんか?」というのが主張です!確かにCSRの取り組み自体が間違った方向にいってしまって、「その会社で働いている社員がCSRについてやる気がないのに、見た目だけはCSRをやっています!」というような中身を伴わない上辺だけのCSRコミュニケーションを勧めるわけではありませんが、そうは言っても消費者からみれば、企業がどんな取り組みをしているのかが全く見えない今の時代、まずは自分たちのCSRの取り組みがどれだけ閲覧されているのかを調べてみることは自社の社会からの期待が分かるのではないでしょうか。

※本投稿は個人の見解であり所属する組織・団体を代表するものではありません。

photo:Some rights reserved by motoki miyawaki

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執筆者:猪又 陽一

東京商工会議所「eco検定アワード」審査委員、2016年第三者意見執筆企業(南海電鉄、アマダホールディングス、リケンテクノス)。早稲田大学理工学部卒業後、ベネッセコーポレーション入社。その後、外資系ネットベンチャーやリクルートエージェント等で新規事業立ち上げ後、大手環境戦略コンサルティング企業に合流。環境・CSR分野における戦略・実行、コミュニケーション、教育など幅広く従事。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」をプロデュース。著書:『CSRデジタルコミュニケーション入門』(インプレスR&D、共著)

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