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CSRウェブコンテンツの最新評価項目について

  • 2018.9.3

CSRコンテンツ評価

2019年1月に結果発表予定となっている「第3回CSRコンテンツ充実度調査」および「CSRコンテンツ充実度ランキング2019」ですが、事務局内では徐々に調査準備が進んでいます。

CSRコンテンツ充実度調査は、現在、国内唯一の総合型CSRウェブコンテンツ調査ですが、3回目(3年目)となるので、過去の傾向がこの期間でどれだけ変わっているかという定点観測としての意味合いも強くなります。

CSR関連報告書(CSR報告書、社会・環境報告書、統合報告書、サスティナビリティレポートなど)は、この10年で制作ノウハウが社内外で蓄積されてきた部分もありますが、CSRウェブコンテンツはほぼノータッチの企業も多いと思います。ウチはちゃんとやっている、という企業も報告書の内容をそのままテキストにしたものや、自社の言いたいことばかりを掲載し、多くのステークホルダーの情報ニーズに合っていないサイトは、残念ながらたくさんあります。

そのため、今回の第3回目は、より汎用的な自己評価ツールとしても活用いただけるような形で作りました。前回に引き続き、我々の調査コンセプトは「ステークホルダー・ファースト(利害関係者第一主義)」です。我々が良いと考えるCSRウェブコンテンツは「ステークホルダーの情報ニーズを満たし、行動変容(エンゲージメント)を起こせるウェブコンテンツ」です。これは第1回の調査から変わっていません。

評価項目

今回は「GRIスタンダード」が2018年7月より施行(G4は同日で廃止)となったので、GRIスタンダードの開示項目をより取り込んだ評価項目としました。昨年も考慮はしていたものの、今回は細かい部分も含めて参照しました。CSR/サステナビリティ情報のレポーティングガイドラインでいえば、GRIがダントツですので、調査もグローバルトレンドにそって、評価項目を決めました。

ESGに特化した調査ではないのですが、昨今の潮流を考慮し「コーポレートガバナンス」も評価項目に入れました。IRだけではなく、CSRコンテンツにもガバナンス情報が必要というのが我々の判断です。もちろん、IRコンテンツ等への動線(リンク)があれば問題ありません。

ウェブならではの開示

CSR報告書もCSRウェブコンテンツも、大きな情報傾向は同じです。例えば以下のようなポイントがあります。

・その情報開示で、ステークホルダーとエンゲージメントおよびコミュニケーションができるのか
・その情報開示で、国内外の評価機関および専門家の評価獲得ができるのか
・その情報開示は、ステークホルダーの情報ニーズを満たしているか

CSR報告書と「Why(なぜ開示するのか)」や「What(何を開示するのか)」の部分はほぼ同じです。異なるのは「How(どのように伝えるか)」です。冊子とウェブのメディア特性は異なります。そのため冊子と同じ内容を同じ形でウェブに掲載するのはNGです。

たとえば、冊子(A4)サイズでの閲覧を前提とし編集された情報を、スマートフォン(4-6インチ)での閲覧しようとするとかなり大変です。これはユーザビリティの領域ですが、それぞれのメディアにあった情報発信の方法を検討しなければなりません。

身もふたもない話ですが、CSR企業評価の高い企業の共通点として、情報開示にリソース(予算・人・時間)をそれなりにかけている、というものがあります。予算をかけてなくても、2000年代から地道に取り組んできた企業や、情報開示の選任スタッフを作る企業、専門家や制作会社としっかりコミュニケーションをしている会社、などなど。

このあたりは「CSR企業白書2018」(東洋経済新報社)に寄稿したレポートで詳しく書いているので、興味がある方はそちらをチェックしてみてください。

まとめ

CSRウェブコンテンツは、重要度が増すばかりです。たとえば、東洋経済「第13回 CSR調査」によれば、CSR活動報告を、ウェブのみで開示しているのは30.9%(367社)、ウェブと紙で開示しているのは52.4%(621社)となっています。ウェブのみでの対応がすでに3割近くであり、一昨年・去年から年々増えている点は興味深い点です。今後も冊子(PDFなど)のデジタルデータ制作は当面続くと予想していますが、今後もこの傾向は不可逆的な潮流として徐々にCSRウェブコンテンツを重視した開示戦略に舵をとる企業が減ることはないでしょう。

8月22日には「第3回CSR企業評価研究会」をしたのですが、その中でも少し話をさせていただきました。CSRウェブコンテンツと企業評価は、CSR活動において非常に重要なポイントになるので、私のほうで研究しながらも、研究会では随時共有していこうと思います。

研究会はメンバー募集をしています。この「CSR企業評価研究会とは」ページよりお申し込みください。

特典多数な正会員制度の詳細はこちら

執筆者:安藤 光展

CSRコンサルタント
専門はCSR領域のコミュニケーション、ステークホルダー・エンゲージメント、企業評価。著書は『CSRデジタルコミュニケーション入門』、『この数字で世界経済のことが10倍わかる〜経済のモノサシと社会のモノサシ』など。2009年よりブログ『CSRのその先へ』運営。大学卒業後、インターネット系広告代理店などを経て2008年に独立。以降、企業のCSR/社会貢献領域のコンサルティング業務を中心に活動中。1981年長野県生まれ。

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