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SDGs推進のチャンスにーー関西万博開催にむけた担当者の役割とは

  • 2018.3.20

大阪万博のテーマはSDGs

2025年に開催を予定している国際博覧会(以下、万博)。候補都市である大阪も、他都市に負けないよう誘致に向けて様々な施策を講じています。そもそも万博は、地球の将来に寄与する概念や取り組みを世界中の人々が共有、認識することを目的として開催される博覧会です。特徴的なのは、これまでは産業発展や経済成長に寄与する技術を展示する場だったのですが、21世紀に入ってからは全人類にとっての課題の解決となりうるテーマを取り上げるようになったことでしょう。

立候補地・大阪のテーマは「いのち輝く未来のデザイン」です。サブテーマを「多様で心身ともに健康な生き方」「持続可能な社会・経済システム」に、コンセプトを「未来社会の実現場」としています。つまり、万博というビッグイベントを利用して、日本は自分たちがSDGsを達成する先駆者となり、地球の持続的発展に貢献していくことを世界に表明しているのです。

機運が高まるSDGs推進の流れ

昨年11月にフランスで行われたBIE総会において、各国が誘致に向けたプレゼンテーションを行いました。日本は官民がSDGsの実現に諸外国と協働して取り組むこと、そして大阪での開催がSDGsの解決に貢献することを強く訴えています。

また、昨年の12月には「関西SDGsプラットフォーム」が誕生しました。過去にも、様々なプラットフォームがありましたが、産官学民で構成されたのは今回が初めて。この団体のコンセプトは、様々な背景を持った社会の構成員みんなでSDGsを推進していこうというものです。このような動きを見て、SDGs推進の機運が高まっていることを強く感じている関西のCSR担当者も多いのではないでしょうか?

世間一般ではまだまだ認知度が低いSDGs

ではここで、SDGsに関する意識調査を紹介します。今年の3月に発表された損保ジャパン日本興亜の調査によると、「『SDGs』という言葉を知っている」と答えた人は1,106人中の25%にとどまっており、2016年に実施したグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの調査では、会員企業を含む254団体中、SDGsの認知度は経営トップにおいては28%、中間管理職層は5%となっています。このことから、世間一般でのSDGsについての認知度がまだまだ低いということが浮き彫りになっています

SDGsの推進にはCSR担当者だけでなく、CSR部門以外の従業員、NGO、NPO、取引先、学校や一般市民など、社会の構成員全員が主体的に取り組むことが不可欠です。そうなるにはまずは第一段階として社会全体でSDGsの認知度を向上させ、上記の人たちに理解を深めてもらうことが必須課題となるでしょう。

SDGs推進のけん引役はCSR担当者

では、誰が主体となってこの問題に取り組むべきなのでしょうか?筆者はやはり、資金や技術など豊富な経営する企業のCSR担当者がけん引役としての責務を果たされているように思います(実際、損保ジャパン日本興亜の「社会課題の解決に期待する機関」として、企業が上位に挙がってきています)。

これまでは、それをしようと思えばCSR担当者は各機関、団体との関係づくりを1から始めていかなければなりませんでしたが、今は先に述べた「関西SDGsプラットフォーム」のような産官学民の壁を越えて連携できる体制が整いつつあります。この仕組みの中で、関係するステークホルダーが集まって対話する場を設けること、そしてその中で自分たちが抱える社会課題は何なのか、加えて、自社のどのような取り組みがSDGsのどの項目につながっているのかを認識・共有する機会を作ることで、社会全体のSDGsの浸透の底上げに紐づけることができるのではないでしょうか。

最近は、様々なステークホルダーが集まって持続的な社会に向けたワークショップを開催する自治体も出てきていますが、自治体であるが故、ローカルな範囲で終結してしまうという課題もあります。企業、その中でも普段から長期的な視点を持って幅広く活動しているCSR担当者が旗を振ることで、広い範囲でSDGsの概念が普及していくと考えます。

時代はますますCSRコミュニケーションを必要としています。ステークホルダーとのコミュニケーションを通して、みんなにSDGsのこと、そしてその重要性を知ってもらいましょう。大阪でSDGs万博をなんとしても実現して、日本から世界へSDGsを発信・推進していきたいですね!

参考データ
損保ジャパン「社会的課題・SDGs に関する意識調査」
グローバルコンパクトネットワークジャパン『日本企業調査レポート2017年度版 「未来につなげるSDGsとビジネス~日本における企業の取組み現場から~」』

本記事は所属ライターによる寄稿です。

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執筆者:ブログ編集部
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