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SDGsをどのようにCSRコミュニケーションに活かすか

  • 2018.3.14

SDGsと情報開示

2017年は各方面で「SDGs」が大いに話題となりました。新聞などのマスメディアでもESGを含めて、よく取り上げられるようになり、一般の認知度もそれなりにあがってきているかと思います。そして引き続き2018年も、CSR関係者の間でSDGsがさらに盛り上がることでしょう。

さて、そんなSDGsですが、CSR先進企業から徐々に対応が始まり、その情報開示が行われるようになってきています。「SDGsにおける企業戦略の課題/問題点」という個人ブログの記事にも書いていますが、日本企業の多くは「事業活動 × SDGs」でCSR活動のマッピングを考えており、自社の事業や活動とSDGsの関連性を整理する「事業対照表方式」で情報開示を行うことでSDGsに対応できている“ように”情報開示を行なっています。

ファーストステップとしてはいいのですが、“後付け”ではアウトカムやインパクトは何も生まれません。未来志向の正しい方法としては「経営戦略 × SDGs」とか「マテリアリティ × SDGs」「リスクと機会 × SDGs」というような考え方が必要です。どうやったら成果を創出できるか、という視点です。

あと、SDGsは文字通り“ゴール”(KGI)であり、KPIとの混同によるわかりにくい開示が増えているのも気になります。上記の例のように“後付け”の開示ばかりですと、価値創出が見えにくくなってしまうので注意が必要といえるでしょう。

SDGsとESG投資と情報開示

昨今の流れでいうと、SDGsの情報開示が企業価値に直接結びつきやすいのは、なんといっても「ESG投資」でしょう。

>>GPIF|ESG投資

日本国内でも2015年ころよりESG投資が本格化し、その最も影響力の大きい組織の一つであるGPIFが「SDGs推し」だったことから、上場企業でも大手では急ピッチでSDGs対応(厳密には情報開示だけ)を迫られたと。本記事ではIRや投資の細かい話はしませんが、やはり企業は外部のステークホルダーから強いプレッシャーを受けると、すぐに動きます。去年まで「CSRなんて社会貢献だろ?」なんて言っていた会社のトップが、次の年に新規でCSR報告書でSDGsに言及するレベルです。“手のひらを返す”ってこういうことかというくらいキレイに。

良いか悪いかという議論はもう古く、今後の大手企業、とくに上場している企業の国内時価総額上位1,000社は、「今後SDGsにどう対応していくか」が議論の争点となるでしょう。そして、特に投資家などのステークホルダーは、その開示情報を積極的に求めてきます。

SDGsをどのようにCSRコミュニケーションに活かすか。

上記は本記事のタイトルではございますが、結論を言えば「ステークホルダーの情報ニーズにどれだけ対応できるか」という姿勢が重要ということです。これは10年前から何も変わっていない本質的な部分です。

自社がCSRやESGやSDGsなどをどう思っているかは関係なく、今後どのように対応するのかを、外部のステークホルダーは特に知りたいのだと。CSR活動全般をしていないのはなぜか、を含めて開示しなけければステークホルダーは本当の意味で納得してもらえないでしょう。

ただでさえ「CSR評価が高い(高かった)企業」の不祥事が多い時代です。企業発信の情報なんて、そもそも疑いの目で見られているので、本気でCSR情報開示をしていかないとステークホルダーの信頼獲得などはできません。まだSDGsに関連させた情報発信ができていない企業は、そろそろ本腰を上げて取り組んでみてはいかがでしょうか。

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執筆者:安藤 光展

CSR/サステナビリティ・コンサルタント
1981年長野県生まれ。専門はCSR/サステナビリティ経営、ステークホルダー・エンゲージメント。2009年よりブログ『CSRのその先へ』運営。著書は『創発型責任経営』(日本経済新聞出版社)『CSRデジタルコミュニケーション入門』(インプレスR&D)、『この数字で世界経済のことが10倍わかる』(技術評論社)など。

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