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【第13回】「モバイルサイトで絶対やってはいけない」3つの掟

  • 2017.10.30

CSRコミュニケーション協会のアドバイザーを務めます猪又です。このブログでは、「CSRデジタルコミュニケーション入門」に書かれている内容の補足や分量的に追加できなかった内容を含めて、日々感じたCSRコミュニケーションについてお伝えします。

今月に、当協会から「CSRモバイルサイト・アワード」を発表しましたが、私も評価メンバーとして参加させて頂きまして、JPX日経インデックス400の上場企業の約400社のモバイルサイトを全て拝見させていただきました。モバイルサイトを評価していて、全体的に感じたことは、BtoCかBtoB、各業界ごとに、企業の意識のレベルが大きく違っているようです。また、CSR業界では上位ランクに評価されている企業が意外にモバイルを手を抜いているようにも感じました。確かにサイト自体があまり閲覧されていないので対応していないのも分かるのですが・・・。

今回、私自身の編集後記ということで、個人的に感じたことを纏めさせて頂き、評価していて気付いたモバイルサイトで「これだけはやってはいけない3つの掟とその解決方法」をお伝えしたいと思います。来年、モバイルサイトを再構築する際の参考にしてください。

掟1.張りぼてサイトは絶対にダメ!

今回、一番感じたのは、トップページだけモバイル対応していて、1クリックしてサイトの階層を一つ下げると、通常のPCサイトになってしまう企業が多かったことです。もちろん、半分以上の企業がモバイル対応していないので、それよりはましなのかもしれません。ただ、個人的には、中途半端にモバイル対応するならば止めた方がよいと思うのです。なぜなら、商品やサービスページだけは力を入れているのに、CSRページだけはお金をかけたくないと思われてしまうからです。今回の調査では、建設業界、鉄道業界、銀行業界は、どこかの企業を真似たのかわかりませんが、どの企業もトップページだけを対応しているケースが多かったです。是非、横並び意識を捨てて、その企業のオリジナルなモバイル対応をしてほしいですね。

解決方法:情報システム部としっかりとコミュニケーションする!

トップページだけモバイル対応する理由は、そもそもCSRページをモバイル化しようと思っていないからです。どうしてもCSRコンテンツの優先順位は低くなり、自社の商品やサービスのモバイル対応が優先されるのは仕方がないことです。その場合には、できるだけ情報システム部と話し合い、できるだけCSRコンテンツを全てモバイル対応してもらうように強く交渉しましょう。その際に、PCサイトにあるコンテンツを全て移行するのではなく、やはり、閲覧者視点で本当に必要なページだけに絞るなどして、できるだけ予算を少なくして交渉することも必要でしょう。(詳しくは掟3でお伝えします)

もし、予算的に難しくて、トップページのみ暫定的に対応する場合には、CSRコンテンツが今後どのようなスケジュールで完成するのかを確認すべきです。できるだけ、完全にモバイル対応できるようにスケジュールを組んでもらいましょう。いずれにしても、PCサイトにあるコンテンツをそのまま移行する発想はやめて、新たに構成を見直して、早期に完全モバイル対応を目指しましょう。

掟2.BtoBだからモバイル対応しないという理由はない。

全体的に、BtoB企業の方が、商材として一般消費者に見られることが少ないと感じられているのか、モバイル対応はしていない企業が多いようです。ただし、時代の先見性がある企業は、すでに他社よりも抜きん出てモバイル対応をしているサイトも出てきています。BtoB企業のモバイル対応するかの判断は、おそらく、経営者のCSRに対する意識が強く表れる傾向があるのではないでしょうか。あまり、CSRに興味がない経営者は、そもそもCSRコンテンツを掲載することもあまり意識をもっていないことでしょう。

解決方法:経営者にCSR経営を意識づけさせる!

BtoB企業では、BtoC企業と比較してモバイル対応しているところ、そうでないところの差がはっきりしています。その差は、経営者のCSR経営に対する意識によるところです。その意識を目覚めさせることができるのは、担当者の積極的な行動です!例えば、経営者へのトップインタビューやESG投資の状況報告、マスコミなどの取材、経営者トレーニングなど、意識を変える施策は色々とあります。是非、経営者の意識付けを変えることを期待しています。

掟3.ユーザーインターフェース>コンテンツ

CSRで評価されている企業は、CSRのコンテンツに拘るあまりに、文字数が多くなったり、文字のポイントが小さくなって閲覧者からは内容が理解できないケースが多いようです。今回の調査で、改めて400サイトをみて感じたことは、CSRの中身の凄さよりも、見た目、印象、サイトの使い勝手であるUI(User Interface)が重要であると思いました。多少、有識者からみてCSRの中身が薄かったとしても、サイトの見た目や使い勝手によって、その評価は大きく影響を受けるような気がします。是非、中味の量よりも内容を絞った見た目やインターフェースを重視して、分かりやすいサイトを心掛けることを期待しています。

解決方法:PCサイトとモバイルサイトとの内容はしっかり分ける!

先ほどもお伝えしましたが、PCでのCSRコンテンツをそのままモバイルへスライドして製作することは絶対に止めるべきでしょう。PCはモバイルと違って扱える情報量も多く、特に仕事中にビジネスマンが閲覧することも多いので多少CSRの中身が難しくて良い気がします。ただ、モバイルサイトは、より一般消費者に近い閲覧者が見る機会が多いのではないかと思います。その際に、やはり分かりやすさや見た目といった点が大変重要になります。あくまでもモバイルは、内容をしっかりと伝えるというよりは、企業に対する信頼感を醸成するためのイメージや印象を与えることが重要になります。その点では、文字数を絞って、うまく写真やイラストなどを活用することが求められることになります。

まとめ

今回はモバイルサイトについて考えてみましたが、皆様いかがでしたでしょうか?なかなか、モバイルで企業サイトを見る機会は少ないかと思いますが、やはり、企業として、CSR経営を標榜するのでしたら、PC同様にモバイルサイトもしっかりと作り込む必要があります。是非、今回のランキングを参考にして、来年度以降にモバイルサイトを見直してみるのもいかがでしょうか?ちなみに、私が個人的に良かったなと思った企業は、大賞を受賞したりそなホールディングス、優秀賞の日立製作所、優良賞のKDDIなどがうまくまとまっているように思えました。もし、何かモバイルサイトでアドバイスをしてほしいことがあれば、是非、当協会へお問い合わせ頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。

※本投稿は個人の見解であり所属する組織・団体を代表するものではありません。

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執筆者:猪又 陽一

東京商工会議所「eco検定アワード」審査委員、2016年第三者意見執筆企業(南海電鉄、アマダホールディングス、リケンテクノス)。早稲田大学理工学部卒業後、ベネッセコーポレーション入社。その後、外資系ネットベンチャーやリクルートエージェント等で新規事業立ち上げ後、大手環境戦略コンサルティング企業に合流。環境・CSR分野における戦略・実行、コミュニケーション、教育など幅広く従事。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」をプロデュース。著書:『CSRデジタルコミュニケーション入門』(インプレスR&D、共著)

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